I/Oリソース編 これまで、マルチテナント・アーキテクチャにおけるCPUリソース、Memoryリソースの制御方法を考察してきたが最後にI/Oリソースの制御について考えてみる。 Oracle Databaseは共有ディスクアーキテクチャーをとることから、従来からI/Oはボトルネックになりやすい重要なコンポーネントだった。マルチテナント・アーキテクチャにより、多くのインスタンスが集約されるとさらに、I/Oのリソース管理の重要性が増してくることは明らかである。 さらに、初回のCPUリソース編でも述べたが、Database Resource ManagerではI/Oのリソース管理は提供されておらず(*1)I/Oリソース管理をするにはExadataによりI/O Resource Managerを使用する必要がある。 筆者はExadataを検証環境として持ち合わせていないので、ここでExadata I/O Resource Managerの検証結果を記載できない。 そこで、CPUリソース編で説明したOSネイティブなリソースマネージャ(*2)を使用したI/Oリソースの管理の方法を紹介したい。 (*1) Runaway SessionとしてのI/Oリソース管理は提供されている (*2) Linuxのcgroupsと初期化パラメーターPROCESSOR_GROUP_NAMEを使用する I/Oリソース制御としてPROCESSOR_GROUP_NAME 初回のCPUリソース編で初期化パラメーターPROCESSOR_GROUP_NAMEを紹介したが、これはPROCESSORに限らずOSの持つcgroups(本件検証環境はOracle Linux 6.4 x86_64)の全ての機能を使用できる。 注意 cgroupsの機能をOracle Database 12 c がどこまでサポートしているか明確なドキュメントはなく、現時点は検証目的としてPROCESSOR_GROUP_NAMEでcgroupsのI/O制御を行っている事に注意 まず、I/Oリソースに関して全く制御していない状況で、I/Oの速度を計測してみる。I/Oの速度計測にはOracleが提供しているDBMS_RESOURCE_MANAGE...